スリランカブログ

【スリランカ北部旅行①】ジャフナでヒンドゥー教・タミル文化・内戦の記憶に触れる

こんにちは、ご訪問ありがとうございます。

これから数回は目をぐっと北に向けまして、ジャフナ Jaffnaについてご紹介したいと思います。

ジャフナの位置(Google Map) インドに近い

ジャフナの特徴~こんな方におすすめ

ジャフナはシンハラ語でヤーパナヤ යාපනය 、タミル語ではヤーパルナーム யாழ்ப்பாணம் です。
(ちなみにシンハラ語で日本はジャパーナヤ ජපානය と言います。音が似ていて少し混乱しました)

地図を見ればおわかりいただける通り、インドからほど近く、インド人観光客も多いです。
スリランカ北部はタミル人の多い地域で、ヒンドゥー教を信仰する人が多いため、大小のヒンドゥー教寺院(コーヴィルと言います)があちこちに見られます。

また、ジャフナを始め、北部地域で忘れてはならないのはスリランカ内戦です。
北部の多くの地は戦場となり、多数の建物が破壊されたため、今ある建物はほぼ内戦後に建てられた新しいもので、道路も比較的幅広に整備されています。また、スリランカ軍の基地が他の地域に比べ多く見られます。
今回、ウィルパットゥからジャフナに向かう際に通った「A9(エーナイン)」という道路については、「内戦中、戦車が列に連なって戦場に向かう様子が毎日のように報道されていた」と、ドライバーが話していました。

こんな人におすすめと書きましたが、スリランカ内戦に関心のある方を除き、おそらく初回のスリランカ訪問でジャフナを訪れる方はあまりいらっしゃらないと思います。
別記事にてお伝えしますが、ジャフナから更に西の島に、ナーガディーバという仏教の聖地もありますので、ブッダゆかりの地を訪れたい方には必見です。
スリランカが2回目以降で、スリランカにいながらタミル・ヒンドゥー文化という異国感(日本人にとってはスリランカ自体が異国なわけですが・・)を味わいたい方に自信を持っておすすめします。
タミル人はベジタリアンが多いため、ベジフードのお好きな方は食事も楽しめるでしょう(もちろんベジタリアンでない食事もあります)。

以下、いくつかの観光スポットをご紹介します。

ナッルール・カンダスワミ寺院 Nallur Kandasuwali Kovil 〜ジャフナのヒンドゥー教信仰の中心~

ジャフナの信仰の中心地であり、観光名所です。しつこいようですが、コーヴィルはヒンドゥー教の寺院です。

ナッルール・カンスダワミ寺院

宿で聞いた限りでは、朝5時と夕方5時半から儀式(セレモニー)があるということで、夕方に合わせて行くことにしました。

寺院に入る前に靴を脱ぎます。また、男性は上半身裸にならなくてはなりません。そして寺院の中は写真撮影禁止です。天井が高く、現在も内装は建設中でした。

儀式の様子ですが、大音量で音楽が鳴り、音楽に合わせて山車のような、神様を乗せた車が神殿より出てきます。聖職者がゆっくりとその車を押し、信者が付いて行きます。 儀式では、火を灯したり消したり、火が印象的に使われていました。
別の部屋まで神様が到着すると儀式は終わり、ミルクのような液体と、甘い穀物が信者におすそ分けされます。
儀式終了後、6時きっかりに寺院は閉まりました。門を閉める聖職者の方が、何もわからない観光客にも”Thanks for your coming”と言ってくださいました。

私はヒンドゥー教の儀式は初めてで、不勉強で何の意味があるのかはっきりわかりませんでしたが、ただ迫力はすさまじく、しばしぼーっとしてしまいました。信者の方の熱気にも圧倒されました。
日本の神道では、はじめはただのモノ(鏡や剣といった道具)であったものが、長年人々の祈りを受け止めるうちにやがて神性を帯びる、という考えがありますが、このコーヴィルの神様は驚くべき神性・祈りのエネルギーを集めているように見えました。

カンタロダイ遺跡 Kantharodai Ruins

ジャフナ 中心部から車で30分ほどの遺跡です。遺跡好きの身としては一度見てみたかった場所です。
遺跡はなおも修復中で、民家がすぐ隣に迫っており、予想よりもかなり小規模な遺跡でした。旅程でもそこまで優先しなくても良いかと思います。
小さい遺跡でも、軍人の方が木陰で涼みながら警備を行っていました。

カンタロダイ遺跡
シンハラ語、タミル語、英語で書かれたボード

個人的には、今まで見たスリランカの遺跡で一番はリティガラ遺跡です。

スリランカ内戦のメモリアルレリーフ General Denzil Kobbekaduwa Memorial

スリランカの内戦に興味があると伝えたところ、ドライバーが連れて行ってくれました。
カイツ島(ベラナイ、ヴェラナイとも呼ぶ)の荒野にぽつりと設けられた、内戦の記憶のための場所です。

内戦で命を落とした軍人たちのレリーフ
風化した兵器。却って生々しさを感じる

ジャフナ・フォート~内戦もくぐり抜けた強固な砦

植民地時代に建設され、内戦をも潜り抜けた砦です。現在も内戦で破壊された場所を修復中のようです。
観光客で常に賑わうゴール・フォートよりも大きく、壮大です。ただあまり散歩に適しているとはいえず、個人的にはドライブがてら眺める程度でよろしいかと思います。

ジャフナ・フォート
スケールは大きい

その他、ジャフナ旅行の楽しみ方

他にも、ジャフナには、スリランカ最北端の地であるポイント・ペドロ、キーリマライの泉、修道女の作るジャフナワインなどもあります。
ただ、行かれるとわかるかと思いますが、ジャフナはスリランカの中でもかなりの大都会で、都市部の面積も広いです。観光名所も点在していますので、体調に無理のない程度に観光を楽しんでください。

また、北部は平地が多く、日差しが強くて、とても暑いです。日中に外に出歩くことは体力をかなり消耗するため、あまりおすすめできません。
日中はクーラーの効いた部屋で昼寝や、お茶を飲みながら仲間と語らい、日が陰ってきたくらいの時間に外出するのが理想です。

今回、ジャフナから戻った際に、シンハラ人のドライバーが「タミル人は思ったより親切でいい人だった」とぽつりと言っていました。
観光客からはなかなかわかりませんが、スリランカの民族の微妙な関係を感じました。

おまけ ジャフナで見た動物あれこれ

ヒンドゥー教の地域だからか、ドライブ中に牛の群れと前後しながら移動することが多かったです。

牛や山羊の群れが、道路を悠々と移動する
かなりの大勢様
宿の猫店主。猫はスリランカでは一般的に「プーサ」と呼ぶ

正直、カーチャーターでは遠いです!が、他の観光地と組み合わせれば楽しく行けます。ジャフナのカーチャーターもジャスミンツアーズにお問い合わせください。

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