今回は、社会科見学的な投稿です。
スリランカ料理で欠かせない調味料といえば、塩。スリランカ料理を作ったり、調理をご覧になったりしたことのある方にはおわかりいただけると思いますが、スパイスを除くと、スリランカ料理の味の決め手はほとんど塩、タマネギ、ニンニクです。ココナッツミルクやモルディブフィッシュ(スリランカのかつおぶし)も料理によっては使いますが、塩とタマネギはほぼすべての料理に入ります。
お酒やみそなど料理に使う発酵食品はありませんので、スリランカの調味料の「さしすせそ」の中で最も重要なのは塩。
塩の産地として有名な場所のひとつが、プッタラムです。工場見学もできるとのことで、行ってみました。
プッタラムの位置
プッタラムは、ニゴンボから北に車で2時間半ほどの街です。大きなコーヴィル(ヒンドゥー教の寺院)もあり、タミル人の多い街のように見受けられました。
プッタラム Puttalam という名前も、タミル語で塩を意味する Uppu と、製造場所を意味するThalam が街の名前の語源のようです。古くから塩づくりが盛んだったことがうかがえますね。
いよいよ、工場の中に
ちょうど学生たちの社会科見学が行われていて、合間にガイドさん(工場にガイドさんがいるらしい)に案内してもらいました。
切り出した塩の塊を乾かす
訪れたのは10月で、スリランカの雨季にあたります。乾季の間に塩田に海水を引き込むのですが、その工程は見ることができず、その後の工程である、塩田から切り出した塩の塊ををさらに乾かすところから見せてもらいました。
プッタラムで塩作りが盛んな理由は、ラグーンが広がり、雨季乾季・潮の満ち引きを活かして自然の塩田が作られることとと、風が強く吹き塩の乾燥が早いこと、の2つがあるそうです。
塩田で固まった塩はブロック状に切り出して、積んでさらに乾かします。写真ではなかなか伝わらないのですが、これがまた大きい!ピラミッドの土台みたいでした。
不純物を取り除き、洗う
それを機械にかけて、不純物を取り除いたり、洗浄したりの工程を経て、塩が出来上がります。塩の仕上げには微量のヨウ素を足していました。栄養を補うためだそうです。(ちなみに日本では海藻など他の食品からヨウ素を補給できるため、ヨウ素入りの塩はつくられていません)
塩の洗浄過程で排出された物質は、植物の肥料にしたり、動物の餌にしたりなど、サスティナブルなシステムになっているようです。
洗浄工程は機械化されており、あまり人がいませんでしたが、袋詰めの段階は主に女性たちがわいわいと行っていました。
彼女たちの写真を撮って良いかガイドさんに聞いたところ、うーんという感じでしたが、女性たちから「撮って撮って」と。スリランカらしいですね。
スリランカ料理に欠かせない塩。
塩づくりを可能にするスリランカの自然を理解することにもつながり、とても有意義な時間でした。
スリランカ観光に取り入れる場合、アヌラーダプラへの移動の途中に立ち寄るのがおすすめです。
スリランカではいくつか工場見学ができます
紅茶工場やシナモン工場、そして塩の工場と、ジャスミンツアーズでは工場見学もツアーへ取り入れることができます。ご興味あればどうぞお問い合わせください。