※この記事は2020年時点のものです。最新情報はこちらをご覧ください。
こんにちは。スリランカジャスミンツアーズの松本です。
スリランカに関するコロナウイルス(COVID-19)の状況ですが、初回アップ時(2020年3月3日)から目まぐるしく変わっています。4月以降の状況はこの記事で書きます。
3月までについてはこちらの記事にまとめています。
目次
スリランカでのコロナウイルスの影響概況
スリランカでは、空港に旅客機が到着できない(実質的な入国停止)状況が続いています。旅客機の減便が相次ぎ、在スリランカ日本大使館では、特に短期滞在の旅行者等に対して早期の帰国を呼び掛けています。
SNSを見る限り、日本でより感染が拡大していることもあってか、日本人駐在員の方で帰国している方は多くはないようです。
現地では3月半ばより外出禁止令(curfew)が続き、違反者が多数逮捕されました。生活への影響は緊急事態宣言の出た日本よりなお大きく、閉塞感があるようです。
ただ、高リスク地域以外では、5月11日より経済活動を徐々に再開していくよう政府より指示が出ています。 感染確認の初期から一貫して、コロンボやニゴンボを含む西海岸以外の地域の感染が目立ちます。
4月中旬以降は感染者は減少傾向で、外出禁止令も4月20より一部地域で限定解除されましたが、4月下旬より再び感染者が増加しました。(4月27日の65名が一日の新たな感染者数として最多)
5月に入ってからは少し落ち着いてきましたが、まだ予断を許さない状況といえます。
スリランカでのコロナウイルス感染者数
(5月9日時点)
スリランカ政府のニュースサイトによれば、スリランカでのコロナウイルス感染者数は、5月9日現在で累計835名。うち回復240名、死者9名。5月7日に新たに発見された感染者は27名で、4月下旬に比べ落ち着いてきています。
なお、スリランカの人口は約2,100万人(日本の約6分の一)です。
外出禁止令の効果が出ているものと思われますが、スリランカでは大多数の人が手で食事をするため、もともと手洗いは徹底されているほうです。レストランの奥には必ず手洗い場があります。これも爆発的な感染が抑えられている一因と個人的には推察しています。
(4月24日時点)
スリランカ政府のニュースサイトによれば、スリランカでのコロナウイルス感染者数は、4月24日現在で累計414名。うち回復が109名、死者7名。
スリランカ保健省のHPによれば 、4月23日に発見された感染者は38名。このうち30名はWelisaraウェリサラ(コロンボの北でニゴンボよりも南)の海軍基地での集団感染。24日時点でも、同じ海軍基地でさらに30名の感染者が見つかったとのことです。
クラスターは見つかっているものの、感染経路は解明されており、「スリランカはコロナウイルス封じ込めのためによくやっている」との評価のようです。
– スリランカは感染拡大の防止に大変よくやっている(4月24日)
SL doing very well in limiting the spread
日本政府の状況もちょくちょくニュースになっており、こんな記事もありました。10万円給付も即記事になっていました。
– 日本政府(在スリランカ日本大使館)がスリランカ軍のコロナウイルスとの闘いを称賛(4月24日)
Japan praises SL military’s role in combating Covid-19
(4月9日時点)
スリランカ政府のニュースサイトによれば、スリランカでのコロナウイルス感染者数は、4月9日現在で累計189名。うち回復が47名、死者7名。
スリランカ政府観光局のCovid-19特設ページによると、3月31日に発見された21名の感染者数が一番多く、4月に入って徐々に少なくなってきています。
外出禁止令の継続と生活への影響
(5月9日時点)
5月2日付の在スリランカ日本大使館の案内から引用します。
(1)コロンボ,ガンパハ,カルタラ及びプッタラムの各県全域:外出禁止令は有効である が,これらの県における市民生活並びに公的及び民間部門の活動を5月11日(月)から再 開する。
(2)その他の各県:5月4日(月)から5月6日(水)までの各日,午前5時から午後8 時は外出禁止が解除(先週同様,夜間のみ外出禁止)。6日(水)午後8時から11日(月) 午前5時までは終日外出禁止。
案内でも参照されているスリランカ政府の発表によれば、
・市民生活の正常化、及び必要不可欠なサービスの継続的な提供を含む経済の正常化のために必要な者のみ、5月11日10時より業務を再開
・それ以外の市民は、継続的に自宅待機し、食料や生活必需品の購入のためにのみ外出可能
スリランカ政府は、6月までに、段階的に外出禁止令を解除していく方針のようです。
– 政府は来月までに外出禁止令全てを緩和する方針(5月9日)
Govt aims at total relaxation of curfew by next month
(4月24日時点)
3月18日から始まった外出禁止令は、4月20より一部地域で平日日中は解除されました。ただしコロンボをはじめ主要都市では現在も継続中です。
4月20日付の在スリランカ日本大使館の案内を要約します。
- コロンボ,ガンパハ,カルタラ及びプッタラムの各県全域:4月27日午前5時まで外出禁止令が継続
- その他の各県:外出禁止令は4月20日~4月24日までの各日、午 前5時~午後8時まで一時解除。ただし24日午後8時から27日午前5時まで、週末は終日外出禁止
- 27日午前5時以降については未だスリランカ当局から正式な発表なし
コロンボ、ガンパハ、カルタラはいずれもスリランカ西部の海沿いの県です。コロンボは言わずと知れた実質首都で、ガンパハには国際空港のある町ネゴンボがあります。ヨーロッパへの出稼ぎ労働者も多い地域のため、西部での感染者が目立っている模様です。
ジャスミンツアーズのスリランカ拠点もネゴンボにあり、同じ区域からコロナウイルスによる死者も出ているなど、ドライバーらはかなりピリピリしています。 医療の技術や医療施設の数も十分でないため、不安な日々を過ごしているようです。
スリランカの感染者分布
4月8日との比較から、黄色いピンは最近の感染者と思われます。少しずつ全土に広がっているように見えますが・・どうでしょう。今後感染者がどうなるのか、安心するにはまだ早いように思えます。
外出禁止令違反で1万人以上が逮捕
スリランカの外出禁止令は大変厳しく、驚くほど多数の人が警察に逮捕されました。
– 13,000人以上が外出禁止令違反で逮捕(4月5日)
Over 13,000 arrested for curfew violation
これだけの逮捕者が出ている理由ですが、政府によれば食糧品の配給が行われているものの、十分に行き渡ってはおらず、リスクを冒しながら手に入れる人も多いことが一因のようです。
現地のドライバーに聞くと、「モノよりもカネでの補償が必要だ」と言っていました。全く同感です。
– 政府が経済センターを停止(4月7日)
Govt. to shut down all economic centres
ちなみに、スリランカではプリペイド式で携帯電話代を払っている人が多いのですが、外出もできない状況のため、電話会社が一日最低限のデータ通信を無料で提供しているそうです(現地のタリンダからの情報)。
(息抜き)外出できない中で、スリランカの人は何をして過ごしているの?
業種柄、在宅勤務もできないドライバーのタリンダですが、1日中外出もできずに何をしているの?と聞いたところ、
「家族でカロム Caromをやってたよ」と言っていました。
(英語の勉強くらいしてくれないかな・・と正直ビジネスパートナーとしては思うのですが・・)
カロムは、インド発症のボードゲームで、スリランカではポピュラーなゲームだそうです。日本ではなぜか滋賀県彦根市で根強い人気なのだとか。
各国からスリランカへの渡航可否など
スリランカへの実質的な入国停止が継続
3月19日よりスリランカでは商用旅客機の受け入れを停止しています。4月24日現在、少なくとも4月30日までの継続が発表されています。スリランカ発の便も減便されており、在スリランカ日本大使館では、特に短期滞在の旅行者等に対して早期の帰国を呼び掛けています。
– 在スリランカ日本大使館 新型コロナウイルス感染症(スリランカ航空運航停止延長,カタール航空を利用した帰国のご案内等) (4月15日)
よって、現在、日本からのスリランカ入国は実質的に不可能です。
スリランカ航空は全便を運航停止
日本からの直行便を運航しているスリランカ航空は、4月8日から5月15日までの間、全ての商用便の運航を停止します。
– 在スリランカ日本大使館 【重要】新型コロナウイルス感染症(スリランカ航空運休停止延長,カタール航空を利用した帰国のご案内等 (4月24日)
– コロナウイルスに伴うスリランカ航空の運航停止について
Temporary suspension of SriLankan Airlines flights due to Coronavirus (COVID-19) outbreak
参考にさせていただいたサイト
日本語
-在スリランカ日本大使館
–日本橋夢屋 海外出張情報(スリランカ)
英語
–スリランカ政府観光局 Covid19特設ページ
– スリランカ保健省 Epidemiology unit(検疫ユニット)ページ、その中の日別統計ページ
– PMDニュース(スリランカ政府によるニュースページ)
– ゴータバヤ・ラジャパクサ大統領のHP
–デイリーミラー(スリランカのニュースサイト)コロナウイルス特集ページ
なお、在スリランカ日本大使館様のHPではこのような案内も。
– 【注意喚起】スリランカ連続爆破テロ1周年及びラマダン月にかかる注意喚起
もう1年経ったのかと思うと同時に、長かった内戦を終えて10年で少しずつ成長してきたこの国は、どれだけの試練を乗り越えていかなければならないのか、考えたら涙が出そうでした。
日本でもスリランカでも、少しでも早く状況が収束することを願っています。
スリランカ好きとして、今後も役立つ情報発信をしていきたいと思います。