こんにちは、ジャスミンツアーズです。
最近スリランカの物価水準についてお問い合わせをいただくので、価格について書きたいと思います。
私たちジャスミンツアーズの価格目安はこちらです。昨年から値上げをせざるを得ない状況ですが、この理由についても当記事で説明ができたらと考えています。
情報は信頼できる統計から得ていますが、書かれている考察はあくまでジャスミンツアーズの一見解であること申し添えます。
目次
1.スリランカ側の事情
体感として、スリランカ現地のルピーベースの物価は、コロナ前の2~3倍に上がっています。特に輸入品で顕著です。理由は主に2つです。
①新型コロナウイルスが引き金のスタグフレーションとハイパーインフレ
この理由は、コロナによって海外労働者からの外貨送金、産業の軸となる観光業やアパレル産業が打撃を受け、急激なインフレが進んだことです。不景気でありながら物価は高くなる、スタグフレーションと呼ばれる状態です。
以下のグラフをご覧ください。2022年の経済危機で、一時期、月間インフレ率は70%を超えました。その後も一度もマイナスになっていないことも着目に値します。
比較のため、日本の同期間のインフレ率推移もみてみましょう。縦の目盛りにも着目です。
②経済危機の後、スリランカ経済の立て直しのための増税
コロナ後、スリランカは経済を立て直すべく増税を行っています。
例えば、消費税はコロナ前の一時期0%でしたが、2024年からは18%になっています。
2024年1月のJETROの記事によると、消費税増税に伴い、再びインフレ傾向が高まってきています。
参考1:ガソリン価格の推移
私たちの事業に影響するガソリン価格もこの通り上がっています。
世界各国でも同じ傾向にありますので、比較的ご理解いただきやすいのではないかと思います。
なお、Grobal Petrol Prices によると、2024年2月現在のスリランカのガソリン価格は1リットル当たり460LKR(≒220円)です。ガソリン価格は政府によって決められます。
他方、e燃費.comによると、日本のガソリン価格はレギュラーで161円、ハイオクでも172円です。スリランカのガソリン価格は3割ほど日本よりも高いのですね。
参考2:スリランカの人件費推移
人件費はどう変動しているでしょうか。スリランカの実質賃金の推移からは、人件費は上がっていないどころか下がっていることがお分かりいただけます。
物価はどんどん上がっていくのに、人件費の上昇がそれについていけていません。結果、コロナ前までは中流階級として普通に暮らせていた人々も、今は生活が苦しくなっています。これが今、スリランカで若者が海外に出稼ぎに行ってしまう主な理由です。
ドライバーも優秀な人ほどスリランカを出ており、今までジャスミンツアーズと仕事をしてきたドライバーも何人か海外へ見送りました。この状況が続くと、私たちもいつまで事業を続けることができるか・・と考えざるを得ない状況です。それを避けるためにも、たくさんのお客様にご利用いただきたく、この記事を書いています。
2.日本側の事情
スリランカは、2023年3月にIMFからの支援を受けています。それを受け、特にここ1年は、スリランカ経済回復の期待からか、少しずつスリランカルピー高となっています。
加えて、円安傾向から、1年前に比べて30%ほど円貨ベースの金額が上がっています。
サービス価格の上昇に理解いただくことの難しさは、日本人をターゲットにするどの旅行業者も抱える共通の課題です。
まとめ
スリランカの物価の変動、また円貨ベースの金額の変動についてご理解いただけましたでしょうか。スリランカ旅行を検討されている方の参考になれば幸いです。
ネット上では、コロナ前の情報で、「スリランカでは1日当たりのチャーターは1万数千円」と書かれていることもあるようです。ここまでお読みくださった方にはお分かりいただけると思いますが、その情報がいつ時点のものであるかには十分注意が必要です。もともと、スリランカに関して日本語で書かれた情報は少なく、その多くがコロナ後にも更新されていません。
現在そのような価格のサービスを見つけることは難しいです。もしコロナ前と同等の価格でサービスを提供している場合は、その業者は利益を出そうとしていないか、誰かが搾取されているかのどちらかを想定したほうがいいと私は考えます。
ジャスミンツアーズは、誰からも搾取せず、スリランカで優良な観光ドライバーが活躍できる持続的な観光をミッションとしています。ぜひお問い合わせをお待ちしております。