こんにちは、ジャスミンツアーズの松本です。3月22日現在、スリランカは実質どの外国からも渡航ができない状況になっていますが、こんな時期だからこそ、日本の方にスリランカの魅力をお伝えしていこうと思います。
今回はスリランカ南部のマルキリガラ(ムルギリガラ)石窟寺院 Mulkirigala Raja Maha Viharayaを紹介します。日本語でどう発音するのか、もはやよくわかりません・・ダンブッラ石窟寺院と同様、洞窟に涅槃仏などの仏像があり、壁画が描かれています。以下、マルキリガラ遺跡と統一して書きます。
目次
マルキリガラ(ムルギリガラ)遺跡はどこにあるの?
かなり辺鄙な場所にありますね。ただ、スリランカ南部は高速道路の整備が急ピッチで進められている(特にラジャパクサ大統領の就任後)ため、距離の割に意外にコロンボや空港のあるニゴンボから行きやすい地域でもあります。
私はエッラ→カタラガマ→マルキリガラ→マータラ→ニゴンボと車で移動しました。
今回ミリッサ、ヒッカドゥワ、ゴールなど素通りしてしまいましたが、いずれも魅力的な場所です。
ミリッサは欧米系の観光客に人気のビーチリゾートで、ヒッカドゥワは最近日本でもサーファーの間で有名になってきています。お好きな方はぜひカーチャーターもお問い合わせくださいね。
マルキリガラ遺跡ってどんなところ?
ヤーパフワ遺跡がミニ・シーギリヤなら、 マルキリガラはいわばダンブッラ石窟寺院のミニ版です。
約500段の階段を上っていくと、7つの洞窟に壁画や仏像が飾られており、それらと見ることができます。
世界遺産に指定されているダンブッラに知名度では劣りますが、その分ひっそりとしていて、落ち着いて観光・お参りができます。
マルキリガラ遺跡の歴史
入口の野良ガイド(※)によれば、お寺ができたのは2,200年前、石窟内の壁画は350年前に描かれたそうです。
こちらのサイトによると、マハーワンサ(スリランカの歴史叙事詩)には3世紀にSaddhatissa王が建立したことが書かれているそうです。その後も歴代の王によって発展を続け、18世紀に至るまで開発がすすめられたそうです。
※野良ガイド :松本が勝手に命名。おそらく正式なライセンスを持たずに、いつ来るともわからない観光客を案内してチップをもらっている近所のおじさん。スリランカのマイナーな観光スポットに生息している。女性一人の場合はあまり勧めませんが、グループ、ないしはもしドライバーがついてきてくれるようならお願いしてみても良いと思います。チップは500~1,000ルピー程度。きちんと学んだガイドではないため、期待は道案内程度にとどめ、知識はあまり期待しないほうがよろしいかと思われます。
マルキリガラ遺跡の魅力を写真で紹介
さて、門前で蓮の花を購入して歩き始めます。スリランカのお寺ではどこでもだいたい10本100ルピー(約60円)で売っています。売り子さんが咲く前のつぼみの花弁をひとつひとつ手で開いています。
お供えするときは、ばりっ、と茎をもいで、花だけを供えるのですが、これが慣れないともたもたしてしまいます。が、これも楽しい思い出。
ぜひ、スリランカに来られた際は体験してみてください。
階段を上り切ったところにチケットオフィスがあり、ここでチケットを買います。このときいた係員の方は年配の優しげなアルビノの方でした。
さて、一つずつ石窟に入っていきます。
見どころ1:スリランカの寺院で見かける「竜」マカラ
スリランカでも、竜は伝説上の生き物です。Makara マカラといい、写真のように竜が装飾された入口をMakara Thorana (マカラ・アーチ)と呼びます。
マカラは元々インド神話で生まれ、主にヒンドゥー教と関わりのあるものとして、インド、カンボジア、インドネシア(ジャワ島)等、比較的広範囲に見られます。 中国にも影響を与え、日本の私たちにまでなじみのある竜の姿になっていきます。
英語版のWikiによれば、スリランカのマカラは、仏教寺院の門など仏教建築の装飾として使われてきた点、また多数の種類の動物が掛け合わされた点に特徴があるようです。
ガイドによれば、スリランカのマカラは7つの動物からできているそうです。(ドライバーも知っていたので、スリランカの人ならだいたい記憶しているレベルと思われる)
- 象の頭
- ライオンの足
- 豚の耳
- 魚の身体
- ワニの顔(顎、歯)
- 猿の目
- 孔雀の尾
いかがでしょう、全部判別できましたか?
見どころ2:石窟内の涅槃仏
日本では横たわる仏像自体が珍しく、その涅槃に入っている/いないを区別しませんよね。
スリランカでは、涅槃仏(寝仏)は大きく分けて2種類あり、薄目を開けて、左右の足の高さが揃っているのが、文字通り寝ている(瞑想しているようにも、説法をしているようにも見える。涅槃を前に最後の説法をしているところとも言われる)ブッダ。
目を閉じて、左右の足の高さがずれているのが本当の涅槃(ニルヴァーナ)に入ったブッダだそうです。
マルキリガラでは、おおよそ洞窟に涅槃仏が一体ずつ配置されていました。そのうちスリーピングブッダは数体あり、涅槃に入ったブッダは一体だけでした。像はダンブッラと同様に大変大きく、写真に収めるのは至難の業でした。
見どころ3:洞窟内の壁画がとってもキュート!
ダンブッラでは大小さまざまな座像が印象に残りましたが、ここマルキリガラでは、多数の涅槃仏に加え、鮮やかな壁画が印象的です。
洞窟内の壁画は古いものは約350年前に描かれたものだそうで、鮮やかでとても可愛いらしいです。
良く見ると、先ほど供えたばかりの蓮の花がモチーフになっています。この柄のスカーフがあったら欲しいです。
キャンディ王朝時代の壁画・・という説明を受けました。
キャンディ王朝はスリランカで最後の王国で、その終焉は1817年、イギリス領セイロンに統合されるまで続きました。
違う見方をすると、キャンディ王朝はポルトガル/オランダ領セイロン時代にも、ヨーロッパ軍と衝突を繰り返しながら、独立を保っていたということです。
同じ色合いの抽象的な天井壁画。赤と黒の色合いが、なんとなく日本の漆器を思い起こさせます。四角い糸巻きのような模様は何を表しているのか・・ずっと見ていても飽きないです。
見どころ4:眺める景色は最高
500段の階段を上っただけあり、石窟のある場所からの眺めは抜群です。この景色は少なくとも街中にあるダンブッラより勝っています。
景色を見て一息ついたところで、帰り道に向かいます。来た時と同じ階段ですが、やや膝が笑っていました・・(運動不足・・)。
マルキリガラはひっそりとした寺院(遺跡)でしたが、ご紹介の通り、見ごたえがありました。
ただ、せっかく綺麗に修復、保管されているのに、観光のサポートがほぼないのはもったいないと思いました。できれば歴史についてもっと知りたかった。英語の小冊子などあると嬉しいかもしれません。
・・そういうブログを目指して、情報発信していきたいです。
ブログがマイナースポットに寄ってきていますが、もちろんメジャーな観光スポットにも自信があります!スリランカ旅行のお問い合わせはジャスミンツアーズまで。